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2010年4月の一冊『ボックス!』

2010.04.01

“努力の秀才”と”センスの野生児”の二人が織りなす感動と興奮のボクシング小説

四月も終わりにさしかかり、2010年初のおすすめです。今年もたくさんの新入生に入塾いただきました。読書離れ、ゆとり教育による学力低下などが叫ばれておりますが、現場の実感としては、読書に関しては、学校による朝読(朝の10分間読書)の効果からか、ご家庭の取り組みの成果か、少しずつ本を読む子どもが増えているように感じております。
今回紹介させていただくのは、Rookiesでお馴染み市原隼人が主演で映画化が決まりました『ボックス!』です。ボクシング小説ということで、「そんな野蛮な・・・」とお思いかもしれません。ただし、リアルを幻想的に、混沌をやさしく、暑苦しさを涼しく描くことに定評がある百田尚樹によって、非常に爽やかに書かれています。

『ボックス!』  百田尚樹 / おすすめ学年 小学5年生~中学3年生

主人公の優紀は、勉強面で努力をいとわず、非常に優秀。私立高校の特進クラスに在籍しています。ただ、ありがちなひ弱で勇気がなく運動神経がないタイプ。一方優紀の幼なじみの鏑矢(かぶらや)はやんちゃで勉強もできず、ボクシングとけんかの強さだけが自慢で、私立高校にはスポーツ推薦で進学してきました。偶然同じ学校に進むことになった二人。この二人を中心に物語は進行していきます。
ある事件をきっかけに優紀はボクシングの道を歩み始めます。同じ学校のボクシング部には「天才」と呼ばれる親友の鏑矢がいます。最初は何も出来ない優紀ですが、努力という才能を武器に、徐々に力をつけていきます。周囲も驚く成長を遂げた優紀と鏑矢はいつしかライバルに。成長と挫折を繊細かつ大胆に、爽やかでありながら熱く感動的に描き出したスポーツ小説。最後に勝つのは誰か?読み始めたら止まらない。一気に読み切れる小説です。

これを読んだら、中学生は高校に入ったらボクシングをやりたくなるかも?と思えるくらいボクシングの魅力も、努力することの大切さも詰まった小説でした。春から初夏に。爽やかな季節だからこそ読んで欲しい一冊です。格闘技好きのお子さんは是非。ボクシングに抵抗がある方にも是非ご一読下さい。少し見方が変わるかもしれません。